成田さんと中井さん

2月28日に行われた天河戦決勝三番勝負第1局、中井広恵六段vs成田弥穂(みほ)女子アマ王位の一戦は、ご存じの通り中井六段がぎりぎりの勝負を制しました。第2局は3月17日(火)、駒込サロンで行われます。
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第1局、私は対局場の設営・運営を担当し、成田さんの対局姿を一日間近で見ました。
ホテルでの公開対局、相手は女流棋界のトップ棋士。普通なら舞い上がってしまいそうなところ、気負いなく自然体でゆったり堂々としていて、指し手以上に落ち着きが素晴らしかったです。
打ち上げの時、中井さんはしみじみ「私たちの時代、女の子で将棋ができる子は本当に少なくて、指せるだけで価値があったけれど、今は名前を聞いたことがない子でも強い子がたくさんいる。若い世代がこうやって伸びてきてくれるのはうれしいよね」と言っていました。
中井さんはいつもLPSAの中で「こんなことをすると代表に怒られる」「代表が怖くて」とかネタにされていますけど(まぁ実際怖い時は怖いんですけど)、将棋に対してはびっくりするくらい謙虚なんですよね。あまり評判の良くなかった51手目▲41角のことをいろんな人に突っ込まれても、そのたびに「そうですよね、そうでしたね」と素直に聞いていました。まあ勝ったからかもしれませんが、私(含め他の女流棋士)なら「もう、分かってるから言わないでよ!!」とか逆切れしそう。
こういうところが強さの秘訣かな、と思います。

成田さんも今のまま素直で将棋を大好きでいてくれたら、これからまだまだ伸びていくことでしょう。第2局も楽しみです。