将棋本オールタイムベストテン

選んだ基準は「自分にとって思い出深い」こと。全然本の評価になってませんがすみません。

1.棋士・その世界(中平邦彦
2.清水市代の囲いのエッセンス(清水市代
3.5手詰ハンドブック(浦野真彦
4.山田道美将棋著作集 第7巻 日記(山田道美、中原誠編)
5.対局する言葉(羽生善治柳瀬尚紀
6.生きてこそ光り輝く(石橋幸緒
7.鏡花水月(青山牧美)
8.十一人の棋風(岡本浩一・橋口英俊)
9.女の長考(湯川恵子
10.ドナウよ、静かに流れよ(大崎善生

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1.棋士・その世界(中平邦彦
 この本のおかげで「将棋そのもの」よりも「棋士」「将棋界」が好きになってしまった。川口篤時代の「対局日誌」や能智映さんの連載を真っ先に読む小学生だったわたしが女流棋士になれたのはそういう時代だったから。生まれるのがあと10年遅かったら、棋士の応援ページか棋界ウォッチブログをやってる一ファンだったに違いない。

2.清水市代の囲いのエッセンス(清水市代
 囲いの名前を、由来とかうんちくを一切語らず「そーいうんです!(ゆうんです、だったかも)」(しかもびっくりマークはまるい絵文字風)のひとことできっっぱり言いきるセンスが素晴らしい。特に小さい女の子に教えるときにすごくいい本。

3.5手詰ハンドブック(浦野真彦
 NHK講座でご一緒したとき、出題の7手詰がビデオチェックが終わっても解けないわたしを見て先生は本当に驚かれたようだった。「苦手な人にとってはアレルギーみたいなものなんですよ」「まず解こうとなかなか思えないので『思わず解いてみたくなる』本を作ってください」なんて言ってたら本当にそういう本を作ってくださった。装丁もおしゃれ。

4.山田道美将棋著作集 第7巻 日記(山田道美、中原誠編)
 囲碁・将棋チャンネル「名勝負の解説」の中で一部を朗読させていただいた。収録が終わるといつも手タレのふたり(伊奈三段・金沢三段)と池袋で飲み歩いた日々を含めて青春の思い出。

5.対局する言葉(羽生善治柳瀬尚紀
 「狂気の入口が見えるけれど入ったら戻ってこられない」というのがインパクトあった。ほんとに見えてるんだろうなあって。あのころの羽生さんは存在感が人間離れしていて、観戦記者の人と「ホントは宇宙人なんじゃないか」と半分本気で話したりしてた。

6.生きてこそ光り輝く(石橋幸緒
 最初に読んだ時は「石橋さん大変だったんだなあ」だったけど、子どもができてから読み返したら「わたしはこれだけ子どもにエネルギーをかけられるか」と視点が完全に母親サイドに変わった。なかなかあれだけできるお母さんはいない。すごい。でもかなわないと思ってしまわないで負けないようにがんばらないといけない。

7.鏡花水月(青山牧美)
 同い年で同門で、小学生の時はよく直子ちゃんと3人で将棋まつりに出たりしてたけど、そのあとはあまりにも立場も生き方も違うのでずっと恐れ多くて近づけない存在だった。中井さんの自然な表情がたくさん載っていて、時間や手間をかけてていねいに作ったことがよくわかる。

8.十一人の棋風(岡本浩一・橋口英俊)
 この本のおかげで卒論を将棋ネタにできた。ロールシャッハや心理テストもおもしろかったけど、著者がこの本をまとめるに至る経緯を書いたエッセイがまたよかった。

9.女の長考(湯川恵子
 ジャーナルの連載ではよくネタにしてもらった。母と姉妹と3人で大会に出るだけで、珍しがられて「ファミリー賞」をもらったりした時代。主婦会館とか日暮里将棋センターとかなつかしいなー。

10.ドナウよ、静かに流れよ(大崎善生
 マリアさん女流棋士になっていたら、その後の将棋界はどうなっていたかなとときどき考える。

以下11位〜20位
四間飛車ガイド(週刊将棋編、室岡克彦協力)
  はじめて読みこんだ定跡書。
急戦!振り飛車破り(4)徹底4五歩早仕掛け(所司和晴
  育成会で所司先生が幹事になってから、感想戦はとにかく定跡講座だった。
困ったときに役に立つ 将棋格言豆事典(浦野真彦
  おとなになって将棋を始める人にはまずこの本。
先手三間飛車破り(青野照市
  大学将棋部に入ってみんながひたすら勉強してるのを見てた。
大山康晴全集(大山康晴
  校正のお手伝いで竹橋に通った。
読みの技法(島朗
  3人の個性が浮き彫り。画期的。
人間における勝負の研究(米長邦雄
  やっぱり影響大きいです。
前進できぬ駒はない!(奥山紅樹)
  なんか装丁もかっこよくて好きだった。
一葉の写真(先崎学
  最近の文章はますます好き。
将棋大観(木村義雄
  6枚落ちの定跡をこの本で覚えた(覚えさせられた)のが第一歩。

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手元にない本もいっぱいあります。実家が引っ越すときにずいぶんなくなってしまいました。
棋士のみなさんは時期的に忙しいかもしれないですね。順位戦が終わったころだったらやってくれる人多そうです。

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http://d.hatena.ne.jp/doublecrown/20080125